まえがき より
「伊勢神宮」。20歳以上で96%の方が知っているというデータもあり、日本人のほとんどが伊勢神宮をご存じだといえます。しかし、「伊勢神宮ってどんな神様が祀られているの?」「伊勢神宮って何県にあるの?」と聞かれたとき、答えられない人も多いのではないでしょうか。
伊勢神宮は、皇室の御先祖・天照大御神様という尊い神様がおよそ2000年前にお祀りされ、また、1300年もの伝統を誇る20年に一度の我が国最大の祭典「式年遷宮」が永々と続いていることなど、全国の数ある神社の中で最も重要な神社として歩み続けてきました。
そして、いろいろな時代の変遷を経ながら、今も昔も日本に住む人々はもちろんのこと、多くの外国の方々の心までも引き付けてきました。しかしながら、現代において伊勢神宮の意義や重要性など、ご存じでない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの度、若い神主(神職)がガイドブックとは違い、神主ならではの視点で、昔より多くの人々に愛されてきた伊勢神宮の魅力と神髄をお伝えし、まずは日々の生活に感謝の気持ちを持って神様の前で手を合わせてお参りをしていただきたいとの願いのもと、特にこれから日本を背負って立つ若い人達にも、色あせることなくいつまでも正しい知識として読んでいただきたいという思いから、電子書籍「神主さんが教えたい伊勢神宮」を制作させていただきました。
本書を通じ、先人が長い年月を掛けて築き上げた日本の歴史の奥深さ、人間の力が及ばないものに対する畏敬の念を持つ心、生命には欠かすことの出来ない自然の恵みのありがたさなどを感じていただき、実際に伊勢神宮をお参りされるときの一助となりましたら幸いです。